【学会報告】感性評価による公共図書館へのハイレゾリューション高周波自然音と空間アロマの導入による付加価値検証

共同研究パートナー:図書館流通センター、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント、広島国際大学
発表:国際時空間設計学会(東京大学・2015年)

国際時空間設計学会
石原 茂和 教授(写真 右)

概要:大阪府立中央図書館の空間画像を用いて、ハイレゾリューションの高周波数自然音とカセットレコーダーからの自然音で、空間での印象を感性評価し、比較した。ハイレゾリューション音源の方がカセットレコーダーからの音源よりも、空間をポジティブな印象に影響していることがわかったが、ハイレゾリューションの音源であっても「波」の音は、図書館では音種的に「ざわざわする」や「落ち着かない」などのネガティブな方向に影響した。スパなどではリラックスに使用される波の音も、図書館という空間においては、心理的にネガティブな印象に影響するため、音種として不適切であると判明した。また、同じ空間の視覚情報に、ハイレゾリューション音源を聴きながら、エアアロマで調香された四季の香り(春、夏、秋、冬を連想する香り)をテストし、同様に感性評価を行った。四季の香りを導入した場合、視覚環境と聴覚環境は同様であっても、春の香りは「若々しい」夏の香りは「清々しい」秋の香りは「プライバシーのある」冬の香りは「暗い」など季節感が反映された心理的印象に空間が変化していた。

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