新時代を切り拓く自動車ディーラーの心地よく地域の人々とつながる場づくり Vol.2

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笹山 泰治 さん

笹山 泰治 さん

ネッツトヨタ富山株式会社 代表取締役社長
1968年、富山市生まれ。東京ベイエリアのホテルに勤務後、2006年、富山県内に8店舗を展開するネッツトヨタ富山に入社。2014年、代表取締役社長に就任、現在に至る。

ネッツトヨタ富山株式会社

Vol.2(後編)

地域の人々との接点となる場に

快適空間にリニューアルした効果はありますか?

自動車ディーラーなので、スペースに余裕があれば、店内に車を展示したいと思っていましたが、女性のお客様からは、むしろ「店内に車がないことがいい」という評価をいただきます。帰りがけに「また来たい」と言ってくださるお客様もいます。

また、定期的にめぐってくる車検には新車で1時間前後を要します。利用年数が進むと予定外に時間が延びる場合があるのですが、以前なら「まだ終わらないの?」とお叱りを受けたケースがリニューアル後は各段に減っているようです。

車の買い替え時期は、現状で平均8~9年サイクル。長いお付き合いの間に、よい関係を築く場にしていきたいと思っています。

女性スタッフの制服もかわいいです。スタッフの方々の反響はいかがですか?

制服は、地元のデザイナーを起用したネッツトヨタ富山のオリジナルです。女性の制服については、女性スタッフ代表の数人が使い勝手などについて意見し、作り上げました。スカーフを広げるとタイヤの轍の跡がデザインされているんですよ。愛着もあるようです。
(制服:ネッツトヨタ富山サイト参照http://www.netz-toyama.co.jp/recruit/index.html)

女性の制服一例

お飲物を各種ご提供していますので、ソムリエを講師に招いてサービスのテクニックを学ぶなど、研修の機会は設けています。ただ、スタッフはマニュアルで行動するのではなく、各自がお客様視点で考えて行動することが大切だと思っています。

富山南店の今後の展開はどのように考えていますか。

笑顔でインタビューに答えていただく笹山社長(写真右)と富山南店の寺島店長(写真左)

この場を公民館(コミュニティー)のように地域の人に使っていただきたい。地域の人々との接点を得ることが次の車の販売にもつながると考えています。

まずは子ども向けの英会話教室を、開講する準備を進めています。
他社とのコラボレーションです。
教室には2階の会議室を充てる予定ですが、ここなら子どもたちを送迎する保護者が授業の1時間をくつろいで待つことができます。雑誌やコミックも揃えています。

シニア向けの自社企画、他社等とのコラボレーション企画など展開していきます。

車もインターネットで購入できる時代になるでしょうが、事故や故障の対応、メンテナンスなどには、日頃から信頼関係の築けている人に頼みたいものではないでしょうか。
低価格を追求することも必要ですが、限度があります。当社は、それよりも質のよいサービスを目指していきたいですね。

私自身、子どもの頃から車は大好きです。
TOYOTAの掲げる「FUN TO DRIVE, AGAIN」は、私自身の思いでもあります。
ネッツトヨタ富山では、夏休みにはファミリーを対象とした「クルマふれあいフェスタ」や、車の楽しさを感じてもらうイベント「モータースポーツ・フェス」、中学生の職場体験「14歳の挑戦」の受け入れもしています。車のワクワクを伝えるための取り組みです。

ネッツトヨタ富山の店舗コンセプトは、それぞれの地域性を生かして店舗ごとに異なりますが、共通して“クルマを通して豊かなライフスタイル”を提案していきたいと考えています。

編集後記

木目も美しいフローリングに、濃いグリーンの植栽、シンプルで座り心地のよい北欧家具を配した明るい店内はまさにカフェのよう。シンプル&スタイリッシュな風情が、笹山社長の洗練された姿に重なります。副支配人まで務めたホテルマンの経験が「快適にくつろぐことのできる居心地のよい空間」創りに生かされているのでは?という問いには、「高額商品を扱う」サービス業というところが共通点かな…と。人口知能AIやロボットの登場で、社会も仕事も大きく変化することが予測される時代に、人対人の関係性を深めること、そのために五感にも注目し、いち早く活用する行動力が印象的でした。